「書き替えられた日本史」を読む


編者: 「歴史ミステリー」倶楽部
出版社:知的生きかた文庫 三笠書房

昭和時代から平成の現在で日本史の教科書の記述は書き替えられてきた。
それは古代史でも近代史でもどちらも新発見資料や誤り修正など通説の変化によるものだ。

聖徳太子の名前が教科書から消えたとか武田信玄の肖像画が間違いだったとか、鎌倉幕府成立は1192じゃなくなったとか、 稲作は弥生時代からじゃなかったとか既に知っていることも多々あったにせよ、それでも意外なことは多かった。
例えば、表紙でも取り上げられている「鉄砲伝来はポルトガル船じゃなくて中国人倭寇だった」や「由井正雪の乱が今じゃ使われない」など

歴史は生き物だ。今後も新発見や思い込みの排除などが行われていくのだろう。


目次
第1章◆覆された日本史の定説
人類の誕生/日本の旧石器時代/三内丸山遺跡/稲作の始まり/「漢委奴国王の金印/三角縁神獣鏡/任那日本府/ 藤ノ木古墳/日本最古の貨幣/鎌倉幕府成立/文永の役/懐良親王の大宰府入り/倭寇/鉄砲伝来/川中島の合戦/ 長篠合戦/比叡山焼き討ち/本能寺の変


第2章◆あの歴史用語はこう変わった!
大和朝廷/『魏志』倭人伝/仁徳天皇陵/渡来人/蝦夷の反乱/鎌倉新仏教/町衆/問丸/真田幸村/島原の乱/ 踏絵と絵踏/士農工商/天領/由井正雪の乱

第3章◆あの肖像画はいったい誰?
聖徳太子像/源頼朝像/足利尊氏像/武田信玄像/織田信長像/西郷隆盛像

第4章◆新事実により教科書の記述も変わった!
邪馬台国論争/初代天皇/崇仏論争/法隆寺再建論争/大化の改新/出雲大社/シルクロード/井真成/鳥獣人物戯画/ 安土城/寺田屋事件/アイヌ文化

第5章◆教科書でも変わりつつある人物評価
聖徳太子/蘇我氏/平氏政権/親鸞/北条早雲/今川義元/斎藤道三/楽市・楽座/小西行長/徳川綱吉/徳川吉宗/ 田沼意次/江戸幕府/広瀬武夫/乃木希典/『舞姫』

(2014年10月記す)


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