海の都の物語第一巻を読む


著者:塩野七生
出版社:新潮文庫

見開き要約

1巻の要約

ローマ帝国滅亡後、他国の侵略も絶えないイタリア半島にあって、一千年もの長きにわたり、自由と独立を守り続けたヴェネツィア共和国。外交と貿易、そして軍事力を巧みに駆使し、徹底して共同体の利益を追求した稀有なるリアリスト集団はいかにして誕生したのか。ヴェネツィア共和国の壮大な興亡史が今、幕を開ける。「ルネサンス著作集」中の大作、待望の文庫化、全六冊。





目次

1巻の目次

カバーの版画について

第一話 ヴェネツィア誕生
蛮族から逃れて/迎え撃つ/聖(サン)マルコ/
海の上の都/運河/地盤づくり/広場/
井戸/国づくり/橋

第二話 海へ!
海賊退治/海の高速道路/海との結婚式/
交易商品/ヴェネツィアの船/帆船/
ガレー船/東方への進出

第三話 第四次十字軍
エンリコ・ダンドロ/契約/ヴェネツィアヘ/
コンスタンティノープル/コンスタンティノープル攻城戦/
落城/ラテン帝国/ヴェネツィアが得た“リターン”

図版出典一覧


感想

特に中世の西欧史の知識に乏しい私はヴェネツィア共和国という名前は知っていても、実体はほとんど知らなかった。
特に東ローマ帝国史は少しは知っていただけに第四次十字軍は許せまじと単純に思っていたのだが、よもや本書で主役を勤めるヴェネツィア共和国が大きく絡んでいようとは。

ローマ帝国後の地中海世界を知る上でも本書は大いに役立つ入門書になりえそうだ。続きの巻が楽しみになる第一巻目となっている。

(2014年8月記す)




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