海の都の物語第五巻を読む
著者:塩野七生
出版社:新潮文庫
見開き要約
5巻の要約
十五世紀末、ポルトガルがインドへの新航路を発見という、中世の一大ニュースがヨーロッパ中を駆け巡る。トルコ帝国との攻防も続く中、スペインに代表される君主制国家も台頭。ヴェネツィアは統治能力の向上による対抗を図るも、「持たぬ者の悲哀」を味わうことになる。地中海から大西洋へ。海洋都市国家から領土型封建国家へ。新時代の幕開けはすぐそこまで迫っていた。
目次
5巻の目次
カバーの絵画について
第十話 大航海時代の挑戦
胡椒ショック/航海者たち/危機/巻き返し/通商と産業と/労使の間/ヴェネツィアの組合
第十一話 二大帝国の谷間で
都市国家から領土国家へ/統治能力の向上を期して/ヴェネツィアの光と影/元首(ドージェ)グリッティ/その息子/大国の台頭/プレヴェザの海戦/レパントへの道/レパントの海戦/海戦/レパント以後
図版出典一覧
感想
地中海の胡椒を独占販売し、経済的利益を享受していたヴェネツィア共和国だったが、
コロンブスやバスコ・ダ・ガマによる大航海時代を迎え、時代の転換期にどのように対処したか。
子供の頃はコロンブスに対してのバスコ・ダ・ガマの偉大さが今ひとつわからなかったが、ヴェネツィア共和国について知れば
その影響の大きさがよくわかるというもの。スペインやポルトガル、フランスなどとの関係、
そして最後のガレー戦大開戦とも言われるオスマン帝国とのレパントの戦いなど、興味深いというしかない。
(2015年7月記す)
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