「古事記」を読む


著者:次田真幸
出版社:講談社学術文庫

最近は古代史に凝っているため、古事記日本書紀くらいは目を通しておくか。と思い読み出した。


古代史の謎を考えるにあたり正解だったと言える。たとえば無理やり神話時代の家系図を繋げようとする手法は古代史にも十分に当て嵌まると類推できるようになる。

私は応神、継体で確実に王朝交代があったと思っている。さらに天智、天武あたりも怪しい。「武」の字に注目すると、これは王朝変化を意味している。最後は桓武天皇である。確かに親父は光仁天皇であり光仁時点で天武系から天智系に移行しているようにみえるかもしれないが、じつは光仁即位時の次期有力候補は井上内親王の息子であった。井上内親王は天武系であるため、ふたたび天武系に回帰し、都も平城京のままであったはずであったのだった。
しかし歴史が桓武の陰謀を語り、平城京は捨てられることになった。ちなみに天武系といっても半分は天智系だったりする。なぜなら持統天皇の意向が強力すぎるからである。
だから桓武天皇になって、なにが変わったかといえば天武の血を絶ったという一点に尽きるだろう。
と脱線しすぎなのでこの辺にしておこう。ただこの説は平城上皇の扱いが困るという欠点があることだけ。
(2006年12月記す)






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